2025年度第1回ロボット検定が実施されました

2025年度の第1回ロボット検定(EV3、SPIKEプライム使用)、ロボット検定ジュニア(SPIKEベーシック使用)が、2025年4月13日に開催されました(一部会場では別日程にて実施)。
茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、富山、静岡、愛知、大阪、兵庫、奈良、広島、山口、福岡、佐賀、熊本、大分、鹿児島、沖縄、ベトナムのロボット検定認定会場で、小中高生が受験しました。
今回の検定の振り返りのため、問題と解答を期間限定で公開いたします。
公開期間:2025年5月13日~6月29日

ロボット検定ジュニア( SPIKEベーシック使用)

今回で3回目の実施となる本検定は、小学校低学年を対象とし、SPIKEベーシックを用いた検定です。今回から1級が新設され、1〜3級すべての級で実施されました。試験時間は全級共通で40分、出題は以下の3領域から構成され、100点満点中70点以上で合格となります。
知識問題(30点)・組立問題(40点)・プログラミング・実技問題(30点)
■3級

モーターを用いた家電の判別や、てんびんを使った重さの比較、ブロックの形状認識などが問われました。組立問題では、空を飛ぶドローンタクシーを再現。プログラミング問題では、山と海を行き来する動きとサウンド出力、さらにその繰り返し処理の構成が出題されました。3級 問題組立書
■2級
パーツの役割に関する正誤判断や、てんびんを用いた重さの数値化に加え、力の伝わり方に関する問題が出題されました。組立問題では「スマートトラクター」のモデルを制作。プログラミング問題では、色を識別して止まる動作や、指定ルートでの走行が求められました。2級 問題組立書
■1級
てこの原理やジャイロセンサーの仕組みなど、高度な知識問題が出題されました。組立問題では、廃棄物を運搬する「EVごみ収集車」を再現。プログラミング問題では、ホッパーの動きや、処理場までの運搬・帰還を含む一連の動作を、正確に再現する力が問われました。1級 問題組立書

全体結果(ロボット検定ジュニア)

  平均点(100点満点) 合格率(%)
3級 87.9 91.9
2級 88.1 92.7
1級 81.0 87.4

引き続き、子どもたちの「学ぶ力」「つくる力」「考える力」を育む機会として、本検定を推進してまいります。次回の開催もぜひご期待ください。

ロボット検定(EV3使用)EV3を使用したロボット検定では、2級・準1級・1級の3階級が実施され、いずれも試験時間は90分です。各級の問題構成は以下の通りです:
・知識問題(20点)
・組立て問題(40点/準1級・1級は30点)
・実技・プログラム問題(40点/準1級・1級は50点)
合格基準は100点満点中70点以上です。
組立て問題および実技・プログラム問題は、受験者が実際に組み立てやプログラムの動作を行い、その試技の様子を試験監督が確認・評価する形式で実施されるのが従来通りの特徴です。 動作結果が直接採点対象となる、実践的な検定構成となっています。
2級
知識問題では、ギア比の計算、タッチセンサーやカラーセンサーの使用法、走行距離の算出など、基礎的なロボット工学の理解が問われました。
組立て問題では、指定された組立書に従ってロボットを正確に組み立てる課題が出題されました。
実技・プログラム問題では、センサーの反応に応じた旗の操作や、変数を用いた処理、条件分岐を組み合わせた制御などが出題され、試技による動作確認を通じて採点が行われました。2級 問題解答
※なお、2級の実施は今回(2025年度第1回)をもって終了となります。
準1級
知識問題では、セキュリティに関する常識、ギア比と回転の関係、モーターの回転制御、デバッグの知識などが出題されました。
組立て問題では、「縄跳びロボット」の製作に挑戦。跳躍機構やロープの回転制御、表示装置の設置など、複合的な設計と実装力が問われました。
プログラム問題は4題構成で、ランダム処理やマルチタスクの活用、人オブジェクトの動作制御、ジャンプ回数のカウントなどが出題され、すべて試技を通じて評価されました準1級 問題・解答
1級
知識問題では、C言語またはPythonによる配列操作・関数処理、差動ギアの構造原理、複雑なギア比設計問題など、実践的かつ高度な内容が問われました。
組立て問題では、輪軸を坂の上下に運ぶロボットの製作が課題となり、構造の安定性、サイズ制限、操作性などがポイントとなりました。完成したロボットは試験中に試験監督による確認を受けました
プログラム問題は3題構成で、ボタン操作による状態遷移やLCD表示、センサーベースの動作判断などが求められ、繰り返し試技を行い、最終結果が採点対象となりました。1級 問題解答

全体結果

今回も、受験者たちは設計力・論理的思考・プログラミング力を存分に発揮し、現場での試技を通して実践力を発揮しました。
次回は準1級・1級のみ実施予定となっており、これらの階級においても従来通り、実技を重視した検定を行ってまいります。
引き続きのご参加をお待ちしております。

ロボット検定( SPIKEプライム使用)
SPIKEプライムを使用したロボット検定では、3級・準2級・2級の3階級が実施されました。試験時間は3級・準2級が60分、2級が90分です。いずれの級も、以下の構成で出題され、100点満点中70点以上で合格となります。
・知識問題(20点)
・組立て問題(40点)
・実技・プログラミング問題(40点)
出題範囲や構成は、EV3検定と同様ですが、ロボット本体やセンサーの仕様、使用するプログラミングソフトが異なるため、SPIKEプライムに最適化された内容となっています。
組立ておよび実技・プログラム問題は、受験者がロボットを実際に組み立て、動作させたうえで、試験監督がその結果を確認・評価する従来通りの実技形式で行われました。
■ 3級
知識問題では、ギアの役割やフォースセンサーの仕様、モーターの動作方向とその効果など、基礎的な構造と動作理解が問われました。
組立て問題では、左右のモーターとポート接続を含む基本的な移動ロボットの組立てが求められました。
実技問題では、回転動作や直進・停止、プログラムブロックの選択と並び順を考える力が問われ、動作結果は試験監督により確認されました。
3級 問題解答
■ 準2級
知識問題では、ギアとビームの構造理解、センサーの判別動作、明るさセンサーの活用などが出題されました。
組立て問題では、複数のポートに対応したロボットの完成度と、進行方向への理解が求められました。
実技問題では、フォースセンサーや距離センサー、明るさセンサーを用いた条件制御プログラムの記述と、ブロックの正確な選択・使用方法が問われました。
準2級 問題解答
■ 2級
知識問題では、ギア比計算やセンサーを用いた条件判断、距離と移動の関係性、グラフの読み取りなど、より実践的な応用力が試されました。
組立て問題では、配線とポート指定を含む複雑なロボットの組立てを正確に再現する力が必要とされました。
実技問題では、変数の利用や繰り返し構文、複数条件に応じた動作切り替えが求められ、すべて試技の結果に基づいて採点されました。
2級 問題解答

全体結果

  平均点(100点満点) 合格率(%)
3級 79.1 84.1
準2級 70.6 71.7
2級 72.3 69.8

今回も、受験者たちはそれぞれの級の課題に挑戦し、組立てや試技を通じて、これまでの学びの成果を発揮しました。
次回からは新たに準1級が加わります。子どもたちの挑戦をより多様な段階に対応してまいります。

次回の検定は2025年9月を予定しております。
子どもたちの挑戦を、心よりお待ちしております。